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向日葵の咲かない夏/道尾 秀介 多分、完全にネタバレします。 未読の方は多大な損害を被ると思いますから 目を通さないで下さいまし。 同じく、片目の猿という作品についても 若干ネタバレしますのでご注意下さい。 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ では。 一言でいうと、騙されました。 どちらかというと悪い意味で。 道尾さんの他の作品は 以前に「片目の猿」を読んでいました。 片目の猿は、読者にミスリード ミスディレクションを与えていくところが多く、 読者に与えた先入観をラストにことごとく裏切っていく作品でした。 それが道尾さんの作風なんだろうと思っていたので 多分この作品もそうなんだろうな、と 若干斜に構えて読み始めちゃったんです。 ところが、実際に読んでみると、 物語の前半部分、S君が生まれ変わったり 少年性愛の趣味を持つ教師による犯行ではないかと犯人探しをするあたりまでは、 予想外に面白くて(失礼)かなり引き込まれました。 同時に、 主人公の妹ミカが人間ではないという事はすぐ推測できました。 (私はてっきりチワワやダックスフンドなど小型犬だと思っていましたw) そして自殺したS君がクモとして生まれ変わるあたりで、 この物語には、主人公ミチオの空想の世界に生きている人物(自分への慰め)と 実在する人物(辛い現実)が混在しているんだろうな、 他の登場人物にも誰かの生まれ変わり (という空想によって生まれた人物)がいるんだろうな、 と推理していました。 さてここからどう収束していくんだろう?!とワクワクしていたのですが.... 途中のミステリ部分は一体何だったの?? という感じで終わってしまいました。 読者を裏切るところが面白いのかもしれませんが....むむむ。 低かった期待値がかなり引き込まれ、 気分的にもすごく盛り上がってきて、読んでるこちらはwktk状態だったのに、 それを裏切って展開されたオチは 最初の盛り上がりよりもずいぶん低いところで落ち着いてしまった....。 結構酷い書き方ですが、 途中までは「ここからどうなるのワクワク」状態だっただけに、 後半のどっちゃらけていく展開に裏切られた憤りが募るばかり。 また、後半の主人公はとても10歳の小学生とは思えない立ち振る舞いで その他ご都合主義的な部分もちょいちょいあるし。 あのまま教師との攻防もしくはミステリ部分もちゃんと進めて完結しつつ、 ミチオの悲しい精神世界の話と混ぜてくれたら嬉しかったなあ....。 他の方の読書感想には、 動物虐待や男性教師の少年性愛趣味など、 生理的嫌悪感に触れる描写が散りばめられていることもあって 「気持ち悪い作品」という意見が結構あるみたいですね。 ある意味同感ではあります。 全てミチオの悲しい空想世界のお話だったっていうオチで、 閉塞感のある世界を一方的に見せられて終わることろが、救いが無くて....辛いです。 このフラストレーションをどうしてくれよう...。 イマイチすっきりしないんですよね。 これも味なのかも知れませんが。 悲しい空想世界というオチからしても、 この作品はミステリーというよりはホラーなのでは?と思いました。 つまり、主人公ミチオの悲しい空想(狂気?)に重きを置いた話なのかな?と。 ある意味面白いとは思いましたが、 このままじゃ道尾さんの作品は読まず嫌いになりそうです.... 最近、他にも叙述トリックものをいくつか読んでいますが、 それらの作品と比べても、 「じゃあこれはこういう話だったの??すっかり騙された〜!!」 っていうイイ意味での快感よりは 一方的に振り回された不快感の方が強く残る感じでした。 いや、たった2冊を読んだだけで何が分かろうか!w もう少し、他の本も読んでみようと思います。
by kei-_-happy
| 2012-02-17 12:31
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