カテゴリ
全体 ミュージカル&お芝居 雪山滑走 登山&トレッキング 旅行 料理 着付け・着物 ちょっとおでかけ 読書感想 ベランダ菜園 今日の献立メモ 記念日&ちょっぴり特別な日 雑貨的なこと 映画感想 子育て 未分類 以前の記事
2024年 03月 2022年 05月 2022年 04月 2021年 07月 2020年 09月 2020年 08月 2019年 04月 2019年 03月 2019年 02月 2019年 01月 more... タグ
ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
【読書感想】天使の囀り/貴志祐介/角川ホラー文庫
天使の囀り (角川ホラー文庫) 本当は、具体的なネタバレを含んだ感想を書きたいのですが、 これから読む方にはぜひあのドキドキと恐怖を堪能して頂きたいので ザックリと書きます。 ハッキリ言ってめちゃめちゃ怖い。 お化け的怖さというよりは 現実に、絶対に起こらないとは断言出来ないリアリティのある怖さ。 生理的嫌悪感が半端無いです。 おぞましい。 トラウマになりかねない.... (というか、私は少しトラウマになりそうですw) こんな経験だけは絶対にしたくないって思いました。 でも面白い、すんごい面白いです。 こういうのを「傑作」というのではなかろうか?! どんどん引き込まれていって 結局一気に読んでしまいました。 全く予備知識無しに手に取ったのですが、 最初は「クリムゾンの迷宮」のような カニバリズム的な怖さがテーマなのかと思ったら、 それはフェイクでした(汗 その後、結構早い段階でこの作品のテーマがざっくりと予想でき、 何となく嫌な予感はしたのです。 個人的にとても苦手な分野だったので....ううう ところが話が進むにつれて、予想を上回る恐怖展開を見せ もう心の中で 「うぎゃああああああああああ!!!」 って叫びつつ、 お腹の底がぞわぞわしつつ、ガクガクブルブル.... 「怖い怖い、こんなの絶対やだ!」って思ってたら、まだ先があった.... 「うわあああ、やめて、もうやめて!!」 ガクガクブルブル....ぞわぞわ.... セミナーハウスのくだりは私の許容メーターは針が振り切ってしまい もう訳がわからないぐらい全身がぞわぞわしっぱなし。 たぶんしばらく忘れられないです(泣) 貴志祐介さんの作品を読むのはこれで4作目ですが、 どれもストーリー展開が上手で、 あっという間に物語の世界に取り込まれてしまう。 今回も、冒頭の書き出しからして 「うまいなあ〜!」って思いました。 最初の1ページ目からスッと物語の世界に引き込まれます。 そこからグイグイ引っ張られ、 どうしても続きが気になって、結局一気に読んでしまいます。 この作品については、ホラー的要素に加えて ミステリーのような謎解きも強いです。 しかし、怖いだけじゃないんです。 セミナーハウスの後半では号泣してしまいました。 感心したのは、無駄なコンテンツ?が少ない事。 一見あまり意味の無さそうに思えるエピソードや登場人物、様々な設定など、 全ての伏線がちゃんと回収されます。 それぞれが意味を持ち、 ちゃんと物語と繋がっている事に気づいた時にはゾクゾクしました。 余談ですが、他の作品も含めて 固有名詞や物事の説明をすごく細かく書くのは 貴志さんの特徴だなあ、と思いました。 ワインの名前だとか、車種だとか、無駄に細かいw ....いや、これはこれで作品の世界が緻密に伝わってくるので 無駄じゃないですねw 読んでて「ずいぶん細かいところまで書くんだなあ」とフと思ってw 恐怖以外の部分について思ったのは、 人間の幸せって何だろう? って事でした。 私自身は、あの物語の中での 物理的状態を考えただけでアウトですが.... もしかして、恐怖や不安を克服できた人間は その人自身の内側の世界においては「幸せ」なのかしら、と。 自分の中で最大限の快感や幸福を感じながら 死を受けれ、死を迎えるという事は、 「いつかは必ず死ぬ」という事実を恐れながら生きる人間にとっては ものすごく幸せな事なのかも知れないと思いました。 例えそれが仮想の幸福であったとしても。 ただし、そこで死を選ぶことなく快楽に溺れていると、 あのような........ぞわぞわ 人間の尊厳とは何か、なぜ生きるのか、何の為に生きるのか、 「幸せな人生」って何なのか、いかに死を迎えるか、 ホラーと言えども結構深いところまでえぐって来て 読後はすんごく複雑で深い感動が待っています。 名作だと思います。また読みたい。 ....でも、気軽に人には勧められないw グロテスクな描写が苦手な方は絶対に止めたほうがいいです。 わたしは、怖い話やホラーは結構平気ですが、 (読む分にはw映像はちょっと....w) 今までで一番おぞましい恐怖を味わいました。 でも読んで欲しい! この面白さを体験して欲しい! ついでに言うと、あのおぞましい恐怖を体験して欲しいw! まだ読んでいない方・・・ さあ、どうぞ・・・ ↓↓↓↓↓↓↓↓ 天使の囀り (角川ホラー文庫)
by kei-_-happy
| 2011-07-29 21:48
| 読書感想
|
ファン申請 |
||